伊藤緋紗子さんの翻訳にロスチャイルド夫人の本がある。
そのうちの一冊の中に花を飾るエピソードがあった。
それは夫人自身が小さな劇場の女優の時にも、
自室にはたとえ小さな花でも絶やさなかった、という話だったと思う。
他はすっかり忘れ、それだけが心に残った話だった。
早速同じようにと思った。でもこれがなかなか難しい。
花が高いからじゃない。続かないのだ。
あれから何年たったのだろう。
最近やっと、たまに途切れることがあっても、
どうにか花を飾る生活が身についてきた様に思う。
そして夫人の言いたかったことが、やっと少しだけ分かったような気がした。