Café de Geneviève

気が向いたら

《無垢の笑い》

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Larm Rmah

ジョアン・ミロ Joan Miro

《無垢の笑い》 innocent laughter

1969年 5m×12m 陶板640枚

 

国立国際美術館は、地上階がガラスのエントランスになっている地下3階の建物だった。そこからエスカレーターでB1Fのチケットやレストランのあるフロアに下りる。チケットを買って振り返ると、B2Fへ行くエスカレーターの壁面にミロが飾られていた。

 

灰色地に黒い線が交錯し、黄色や赤などの部分に丸く黒い眼差しのようなものが描かれている。線は牛に見えたり蜂に見えたり、鳥みたいなのもいる。植物もある。そしてアトリウムのガラスから降り注ぐ光に照らされて軽やかさがあった。

 

B2Fへエスカレーターで下りるとき真近で見る。一枚一枚の陶板の表面はちょっと荒い造りで、それがモザイクのテッセラのようなニュアンスを出している。つまり光が当たる部分と影になる部分が一枚の陶板の中に混在している。

 

この作品は1970年大阪万国博覧会のガスパビリオンの為のもので、テーマは「笑いの世界」。ジョアン・ミロが来日し作った。当時の設置状態は白い曲面の壁に浮いた状態で背後から灯りに照らされ、手前には噴水のある水場、天井には丸窓の自然光とライトがあったように見える。

 

当時とロケーションは変わってしまったけれど、ミロの無邪気な絵は変わらない。