『題名のない音楽会』20230107
Italian painter (1475–1546), wikipedia,Public Domain, Link
奈良ホテルの桜の間で、反田恭平さんがショパンの「24の前奏曲」第7番を弾いた。そのあと、杉で作られたヴァイオリンが登場した。その途端、反田さんは「さっきからいい香りがしてたのはこれなんですね」と言った。ヴァイオリンは奈良の吉野杉で作られており、振動特性の観点から樹齢約270年の木が選ばれたそう。そのヴァイオリンで岡本誠司さんが『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』を奏でる。そしてとても透明な音の響きが届いた。
以前『アナスタシア』という本にリンギング・シダーというシベリア杉が出てきた。毎日その木片を手で磨いているとだんだんと美しい木目になっていく。そして身につけているとやさしく芳しい香りがただよう様になると。
杉がそんなに良い香りがするものだとは知らなかった。やはり樹齢が長いものはだんだんとそういうふうになっていくのかもしれない。