Café de Geneviève

気が向いたら

ドラマ『アストリッドとラファエル』

                       Marten Bjork    -unsplash-

自閉症の文書係アストリッドと姉御肌の警視ラファエル。

 

第一話『パズル』でアストリッドが折り畳み傘を2本用意する。不測の事態を予想し対処することで安心を得る、というのは普通だと思うけど、ちょっと過剰気味になりやすいところをソフトに描いている。

脚本家の一人ド・セガンはステレオタイプな「自閉症の天才」ではない描き方をする為に、動物学者で自閉症のテンプル・グランディンの著書を読んだり自閉症の活動家ヨーゼフ・ショバネックの本からもエピソードを参考にしている。

第3話「ミッシング・リンク」でアストリッドの買い物シーンがあり、その店が日本の食料品店。タナカさんという主人が経営してる設定で事件が解決した後、ラファエルがタナカさんから抹茶を振る舞われるとき交わした話がちょっと興味深い。ラファエルが私はどうしたらいいのかというと、タナカさんがあなたは彼女の目印になりつつあるので何もしなくていいと助言するのだ。

ラファエル役のローラ・ドヴェールがゴクミっぽく見えたりドヌーヴっぽく見えたりするが美人。体型のふくよかさが姉御肌のキャラを後押ししている。ミュウ・ミュウの娘。

アストリッド役のサラ・モーテンセンノルウェーの女優。背が高く鉛筆のように細いところがラファエルとのキャラの違いを立たせている。

 

人気ドラマだった『ダウントン・アビー』以降、特に顕著にひどい悪人がいなくなったように感じる。役者は物語の役を演じているだけなのだが、役と個人のキャラクターを混在し攻撃する一定の視聴者の存在が大きいのだろう。その代わりに物語に深みを与えるのに個性的な存在に焦点を当てていく風な流れになっているのだと感じた。そもそもカンバーバッチの演じた『シャーロック』もなんだかおかしな人だった。

 

9/6追記

あっ...

アストリッドが時々言う。

エルキュール・ポアロ